Pique(ピクウェ)とは、基本的にベッコウ、象牙、真珠母貝などの有機素材の表面に、金、銀、まれには真珠貝などから作られたデザイン模様を、一種の象嵌状に連続して押し込み、その連続模様を楽しむ技法を言います。
Piqueの技法は、ルイ14世の頃のフランスで生まれた技術で、その後オランダ、英国へと移転します。
英国に渡り19世紀半ばまではトレイ、小箱、化粧道具入れなど実用具の装飾に多く用いられ、その後純粋な装身具用に用いられるようになりました。
しかし、19世紀末頃を最後にpiqueは歴史の舞台からその姿を消します。
技術が途絶えてしまってから現代までの100年の間に、多くの宝飾職人達が、再びピクゥエを作り出すために何度も製作することを試みましたが全て失敗におわり、結局再現することの出来ない幻の技術として現在に至ります。 現在では塩島敏彦による技法が世界で唯一のpiqueの製造技法なのです。
宝飾品の持つ美しさと絵画や工芸品の美しさはどこが違うのでしょうか。
それ自身でも美しくなければ宝飾品とは呼べないと思いますが、宝飾品が持つ決定的な特徴…それは、人を飾るものだということです。そして人を飾る装身具としての宝飾品の「美しさ」は、人類が背負ってきた諸々な歴史の背景なしに育まれなかったことを、宝飾品の歴史が物語っています。
ですから、宝飾品の原点は、『人を飾る美しさ』にあるのではないでしょうか。美しいからこそ人々は感動するのです。
美しい宝飾品とは、価値ある「素材(宝石)」、その素材を一層輝かせる「デザイン」、そのデザインを表現できる確かな「技術」の3つの要素が一体となって醸し出されるバランスのとれた作品のことです。
宝飾品と宝石は違います。
またアクセサリーは文字通り、飾りとなる付属品のことで、私はこれらを宝飾品とは呼びません。
T.SHIOJIMA COLLECTIONは、素材、デザイン、技術のバランスのとれた、そして「美しさ」が充分に表現された宝飾品を厳選してお届けいたします。
